建築CADデザイナー資格

建築CADデザイナーは、CADの操作に関する知識、設計地面の読み取り、建築物の構造や法規など、 実務上役立つ広範な知識を必要とする資格だ。

昨今の企業のCADソフト利用状況は質､量ともに､ますます複数化･複合化の傾向にあり､他のアプリケーションとの連携利用などにより､企業のCAD環境の変化も顕著となっている｡

そのような背景をふまえ､建築CAD資格試験の実施を通じてCAD専従者の技術能力の一定基準化を目的とすることと同時に､建築CAD専従者の技術力の向上と､社会的な地位を確立することも目的としている｡

また､深刻な就職難などの問題にも､本資格が有効な効果を発揮するものと期待されている。

試験は､建築CAD検定試験､建築CADデザイナー資格認定試験の2分野に分かれており､建築CAD検定試験は主として汎用CADを使用し､CAD図面の正しい理解力とCAD入力技術(CADトレース)に的を絞った試験内容で､多様化するCAD環境への実践力を測る試験となっている｡

一方､建築CADデザイナー資格認定試験は､建築CADの総合テストとして､基礎的な建築知識をベースに主に建築CADを使用しての実技試験となっている。


民間資格

受験資格：
学歴、年齢制限なし

試験内容：
年２回、全国主要都市で開催。

(1)建築CAD検定試験

○認定基準

■2級合格者

自らの持つ建築知識をもとに､CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えていること。

CAD実技試験は､下記の例に示されるような設計条件をもとに､一定時間内に建築一般図を完成させる能力を有することとする。

＜例＞
? 課題として提出された建築ラフ画面をもとに平面図を完成させる。
? 平面図と断面図から展開図を完成させる。
? 平面図､屋根伏図をもとに立面図を完成させる。　
などである。


■3級合格者

与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えていること。

CAD実技試験は､建築図面の要素を取り出して作成した参考図を基に､完成図を一定時間内に作成するCAD技能の習熟度を問う。

＜例＞
?階段平面図　
?通り芯･寸法･通り芯記号　
?柱･壁･間仕切壁　
?壁と窓

CAD実技試験は､前記の要素毎についてオフィス､マンション､会館､住宅などの図面が1回の試験で混在したものを完成させる。


(2)建築CADデザイナー資格認定試験

○認定基準

■1級合格者

CADシステムによる企画設計(プラン)から実施設計までを､実際にCAD実務を通じて体験し､その充実した応用力とCADに対する深い理解でCADマネージャーとしての資質も備えていること｡

また､建築専門知識については､建築物の安全性と快適性の追求といった考えのもと､建築計画・法規･構造･施工についての深い理解が可能であること。

CAD実技試験は､与えられた条件のもと自らプランを構築し､平面図､立面図､外観パースもしくは断面図などを一定時間内に完成させる技能を有すること。


■2級合格者

建築CADシステムの応用操作が可能であること｡
また､建築専門知識については､基本的な建築計画､建築構造の基礎知識､建築基準法による各種制限の理解が可能であること。

CAD実技試験は､課題として提出されたラフ図面に従って､的確なCAD操作により､各種構造に応じて､平面図､立面図､外観パースなどを一定時間内に完成させる技能を有すること。


■3級合格者

建築CADシステムを操作し､一般建築の基本設計図として平面図を作成できる資質を持ち､なおかつ建築基礎知識等について基本的な理解が可能であること。

CAD実技試験は､課題として提出された図面に従って､平面図､立面図､外観パースもしくは断面図などを一定時間内に完成させる技能を有すること。


【問い合わせ先】　

全国建築CAD連盟
TEL：052-931-3370